乗り物広告として注目を集めるデジタルサイネージメディアについて、首都圏を中心に全国展開するタクシーサイネージ広告はどのようなものなのか、またどのような効果がありどのような期待ができるのか、タクシーサイネージメディア「Tokyo Prime」を運営する株式会社IRISの塚越勇太さんに詳しくお話を伺いました。
タクシーの助手席の後部座席に付いている、大きさ10インチ程のモニターに60秒以内のCMを表示させる動画広告媒体です。
タクシー利用者の平均乗車時間は約18分と言われているなか、リラックスしてもらいながら広告やコンテンツを見ていただけるメディアになっています。
タクシーサイネージメディアである「Tokyo Prime」の媒体規模は現在32都道府県の6万7000台に展開しています。このうち東京都は2万5500台。東京都そして全国でもNo.1の規模になっています。
これまでのクライアントは東京あるいは全国でのリーチ拡大や商品名・サービスの認知拡大を図りたい企業様にご活用いただいています。
タクシーサイネージは広告区分としては屋外広告や交通広告に区分されます。市場規模はテレビや新聞・雑誌などのマスメディア広告と比べると小さくなりますが、セグメント特性を持っています。
タクシー利用者の特性としては、大きく「意思決定権者」と「経済的に余裕がある利用者」の2つが挙げられます。屋外広告や交通広告の中でも、利用者属性がしっかりとターゲティングできているという特性を持ったメディアであることが特徴です。
弊社(IRIS社)が行なった調査では、タクシーサイネージ広告の広告到達率は約7割となっています。電車内デジタルサイネージ広告の広告到達率が3割後半から4割ということを考えると、より狙ったターゲットに対してアプローチをしやすいメディアだと言えます。
toBサービスの認知向上を図りたい/導入してほしいといった企業様や、toCでも単価が高い消費財の知名度を高めたい企業様とのマッチング度は高いと考えています。
利用いただいたクライアント様からはサービス名や商品名を認知してもらうことでアポ率や成約率、指名検索率が上がったとの好評価を得ています。
出稿するにあたり、厳格な掲載基準・ガイドラインを設けて考査しており安心して出稿いただける環境を整えていることから、タクシー広告に出稿したことで企業ブランドとしての信頼と向上につながったというご意見もありました。
弊社ではタクシーサイネージで培った業務プロセス改善、広告在庫管理、広告販売、広告効果測定のノウハウを元に、タクシーのドア横にラッピング可能な「タクシール」という商品も展開しています。
タクシーラッピングを安く早く簡単に行うことができ、乗車前に認知の獲得→乗車後にサイネージでアプローチの流れを作ることができます。
運用型テレビCMサービスを行う会社では、サービス開始当初の課題として、サービス名・サービス内容の認知がないことが課題でした。弊社のタクシーサイネージ広告の活用で認知拡大の施策に取り組まれました。
結果として、リード獲得73%が部長職以上。多くの意思決定権者に届きました。また指名検索数は数十倍に増え、資料請求数もかなり増えて裾野が広がったとの評価をいただきました。また出稿完了後も継続して問合せ件数が伸びたとの声もいただいています。
M&A仲介の会社では前述した同じ課題のもと、代表自ら動画に出演しPR。結果として、タクシーサイネージ広告経由での問合せ目標42件に対し、64件となりました。また波及効果として、社長自らタクシー広告に出演したことが話題作りになったようで、交流会やイベントで声をかけてもらったり、アイスブレイクに役立ったと聞いています。
広告内でどのような動画を流すかということも広告効果には重要な要素になりますが、タクシーサイネージでは、限られた時間内で好印象なサービス面を訴求できている動画になっているかがポイントになってきます。
既にあるお持ちの動画素材で掲載いただくことも可能ですが、弊社でもto B向けto C向けコンテンツ制作のメニューを用意しています。
タクシー利用が一番大きい時間帯は昼のビジネス時間帯です。ビジネスアワーの利用はもともと多い傾向にありましたが、コロナ禍の影響を受け、ビジネスパーソンが取引先への移動を、密を避けた手段としてタクシー利用するのはコロナ禍前よりも増えています。そのためビジネスアワーでの認知拡大方法としてタクシーサイネージは向いていると言えます。
またタクシーでの移動は他の交通手段との組み合わせることが多いため、他の交通広告との組み合わせも自社商品やサービスのタッチポイントを増やせます。
それ以外の出勤前や退勤後のおうち時間帯はテレビCMを活用するなど、広告メディアを組み合わせることで全ての時間でタッチポイントを増やすことができる使い方になるのではないかと考えます。
コンバージョンを求める場合、広告動画を起点に、自社のホームページやSNSに展開し契約や受注・注文システムに誘引していくという流れを作ってもらうのも効果的だと思います。
Tokyo Primeは1週間単位での販売になりますが、複数週連続での出稿をおすすめしています。
理由としては、2~3週間出稿していただくと累積で広告到達率が一定程度収束するデータを持ち合わせており、利用者の大半に認知していただけて効果が出やすいと考えられるためです。
宣伝広告費の予算で使い方を絞る方法として、商品やサービスを提供したい優先エリアを絞り、東海エリア限定にしてみる、関西エリア限定にしてみるなど、地域限定メニューでまずはテストマーケティングとして利用し、効果を測ってみるのも有効的な使い方かと思います。
全クライアントに広告掲載完了後に通常レポートとして「再生数」と「再生完了数」、「画面オフタップ数」、QRコードやランディングページへの誘因数である「詳細ボタンタップ数」が記載された効果測定結果を提出し、報告させていただいています。
また一定金額を出稿いただいたクライアント様には、アンケート調査である定性的な面を含んだブランドリスト調査の無償提供も実施しています。希望するクライアントには有料でも提供させていただいております。
タクシーサイネージで培ったノウハウを更なるターゲティングメディアとして発展させようと、ゴルフカートサイネージへの展開も始まっています。
4人乗りのゴルフカートの後部座席の利用者向けにタブレットを設置し、広告動画を表示させています。
首都圏のゴルファーをターゲットにし、群馬県、千葉県、静岡県のゴルフ場などに設置展開しています。
こちらもターゲットはエグゼクティブ向けです。
さらにこのゴルフカートビジョンを先鋭化し、超富裕層向けに遊覧飛行やヘリコプターでの移動利用者むけに同じようなタブレットを設置して広告表示を進めています。
今後、空飛ぶクルマなど空での移動は近未来の交通手段として注目されています。
※2023年11月の情報です